導入後に使われないサービスの利用率を上げる方法|2:6:2の法則

導入した後、こんな状態になっていませんか
- 契約はしてもらえたが、ログインや利用が伸びない
- オンボーディングが後回しになり、導入して終わりになっている
- このままだと更新や解約が不安
このどれかに当てはまるなら、原因は製品の良し悪しではなく、使ってもらうまでの関わりが設計されていないことにある。使われない状態を放置すると、継続率と利用拡大に直結して効いてくる。
結論:伸びしろは中間層にあり、事例で背中を押す
導入後に使われないサービスの利用率は、全員を一律に底上げしようとしても上がらない。利用者は、よく使うトップ層、ときどき使う中間層、まったく使わない下位層に分かれ、分布は経験上2:6:2に近い。下位層の引き上げは費用対効果が合わないため深追いしない。伸びしろは中間層にあり、ここに集中する。使わない理由(面倒、使い方が不明、必要性が伝わらない)を潰すコンテンツを用意し、渡すだけで終わらせず、対面の勉強会や研修で活用まで伴走する。あわせて、他社の使い方を示す導入事例を見せると、中間層が自分の使い方を思い描きやすくなる。
利用者3層への打ち手
利用者を3層に分け、層ごとに打ち手を変える。
層 | 状態 | 打ち手 | 力のかけ方 |
|---|---|---|---|
トップ層 | 放っておいてもよく使う | 使い方を事例として引き出し、他社に横展開する | 維持中心。過度な工数はかけない |
中間層 | ときどき使うが定着していない | 使わない理由を潰し、対面で伴走し、事例で使い方を見せる | 最も力をかける |
下位層 | ほとんど使わない | 深追いしない | かけない |
利用率が上がらないのは一律に底上げしようとするから
利用促進がうまくいかない会社は、全利用者を等しく引き上げようとしていることが多い。しかし利用者の状態は一様ではない。トップ層は放っておいてもよく使い、下位層は何をしても使わない。この両端に力を注いでも、成果は出にくい。
トップ層はすでに使えているため、追加の働きかけの効果が小さい。下位層は、そもそも使う気がないことが多く、引き上げようとしても手応えが薄い。研修の場でも席にいるだけで参加しない層が一定いる。この両端を均等に相手にすると、力が分散して中間層に届かない。
利用者は3層に分かれる
利用者は、経験上おおよそ3層に分かれる。よく使うトップ層、ときどき使う中間層、まったく使わない下位層だ。分布は2:6:2に近い形になりやすい。ただし、同じ中間層でも会社によって差がある。そこそこ使っている会社もあれば、ほぼ動いていない会社もある。この差が、利用率の成否を分ける。まず自社の利用者がどの層にどれだけ分布しているかを把握することから始める。
中間層の引き上げに集中する
伸びしろは中間層にある。ここを引き上げることに力を集中する。中間層が使いきれないのは、面倒だから、どう使っていいか分からないから、なぜ使う必要があるのか理解できないから、といった理由が多い。この使わない理由を、1つずつ潰していく。
そのためのコンテンツを用意する。何のために使うのか、どう使うと役立つのかを、具体的な場面に沿って示す。ただし、コンテンツを渡すだけでは「なるほど」で終わり、実際の行動にはつながりにくい。最終的に使ってもらうには、対面の勉強会や研修で、活用まで伴走する必要がある。渡して終わりにせず、使うところまで付き添う。この「使ってもらうまでの型」を持たずに、契約後を現場任せにすると、導入して終わりの状態が固定化する。
導入事例で中間層の背中を押す
中間層を動かす材料として、導入事例が効く。似た会社や似た部署が、実際にどう使って何が良くなったかを見せると、相手は自分の使い方を具体的に思い描ける。事例は多いほど、この安心の材料が増える。
事例は、取材先を大きく増やさなくても増やせる。同じ会社に時間を置いて複数回取材する、別の部署に取材する、という2つの方法で、使われ方の種類を増やせる。同じサービスでも、部署や目的が違えば使い方は変わる。この違いをユースケースとして切り出すと、さまざまな中間層が自分に近い使い方を見つけやすくなる。注意したいのは、事例が2〜3件のまま更新されないことだ。古い事例が続くと、取り組みが止まって見える。事例は載せて終わりではなく、更新し続けることに意味がある。
ただし、事例があれば必ず使われるわけではない。事例は使い方を思い描かせる材料であって、対面の伴走や、使わない理由を潰すコンテンツと組み合わせて初めて効く。
手厚くする相手を絞る
伴走には工数がかかるため、すべての導入先に等しくは行えない。手厚くする相手を絞る。大きく使ってくれる見込みのある相手、トップ層になりうる相手に、研修や勉強会の工数を寄せる。無料で手厚い研修を複数回行っても、その結果として利用が大きく広がるなら、工数は十分に見合う。誰に手をかけるかを絞ることが、利用率を上げる工数対効果を成立させる。
まず、この1つから
自社の利用者を「よく使う・ときどき・使わない」の3つに仕分けて、中間層が何人(何社)いるかを数えてみる。伸びしろの大きさが見えたら、その中間層が使わない理由を1つ挙げ、それを潰すところから始める。
よくある質問
Q. 導入後に使われないサービスの利用率はどうやって上げますか。
A. 全員を一律に底上げしようとせず、中間層に集中します。使わない理由を潰すコンテンツを用意し、対面の勉強会や研修で活用まで伴走し、他社の使い方を示す事例で背中を押します。
Q. 2:6:2の法則とは何ですか。
A. 利用者が、よく使うトップ層、ときどき使う中間層、まったく使わない下位層に、おおよそ2:6:2に近い割合で分かれやすいという経験則です。伸びしろは中間層にあります。
Q. 下位層は引き上げなくてよいのですか。
A. 深追いしません。まったく使わない層は働きかけへの手応えが薄く、費用対効果が合いにくいためです。力は中間層に寄せます。
Q. 導入事例はどう使えば利用率に効きますか。
A. 中間層に、似た会社や部署の使い方を見せて、自分の使い方を思い描かせます。事例は同一社の再取材や別部署取材で増やし、ユースケースの種類を広げます。
Q. すべての導入先に伴走すべきですか。
A. 伴走には工数がかかるため、手厚くする相手を絞ります。大きく使ってくれる見込みのある相手に工数を寄せると、利用拡大の効果と工数が見合いやすくなります。
まとめ:中間層に集中し、事例と対面で伴走する
導入後の利用率は、全員を一律に上げようとしても伸びない。利用者は2:6:2に近い形で3層に分かれる。両端に力を注いでも成果は薄く、伸びしろは中間層にある。使わない理由を潰すコンテンツを用意し、渡すだけで終わらせず、対面の勉強会や研修で伴走する。他社の使い方を示す事例で背中を押し、手厚くする相手を絞ることで、工数対効果を成立させる。
契約後に使われるかどうかは、担当者の熱意ではなく、使ってもらうまでの型があるかで決まる。ディーノは、利用状況の可視化から、中間層を引き上げる伴走の設計、事例の増やし方までを、再現できる手順にして社内に残す支援をしている。
導入して終わりになっていると感じるなら、まず自社の利用者を3つに仕分け、中間層が何人いるかを数えるところから始めるとよい。ディーノのサービス資料で、引き上げの手順を紹介している。
