大手企業に導入したサービスが使われない|2:6:2の法則で利用率を上げ、全社展開につなげる

大手企業から受注できた。ところが導入後、ログインや利用が伸びず、次の部署への展開も更新の話も進まない。大手との取引は一部門から小さく始まることがほとんどで、その部門で使われるかどうかが、全社展開と取引拡大を左右します。
この記事は、大手企業に導入したサービスの利用率を上げる方法を、利用者を3層に分ける「2:6:2の法則」で示します。
ポイント導入後の利用率は、全員を一律に底上げしようとしても上がりません。利用者は、よく使うトップ層、ときどき使う中間層、まったく使わない下位層に分かれ、分布は経験上2:6:2に近くなります。伸びしろは中間層にあり、使わない理由を潰すコンテンツと、対面の勉強会での伴走で引き上げます。大手企業では、導入部門で利用が定着したという実績が、隣の部署や全社への展開を社内で説明する材料になります。
利用者3層への打ち手
利用者を3層に分け、層ごとに打ち手を変えます。
層 | 状態 | 打ち手 | 力のかけ方 |
|---|---|---|---|
トップ層 | 放っておいてもよく使う | 使い方を事例として引き出し、他部署に横展開する | 維持中心。過度な工数はかけない |
中間層 | ときどき使うが定着していない | 使わない理由を潰し、対面で伴走し、事例で使い方を見せる | 最も力をかける |
下位層 | ほとんど使わない | 深追いしない | かけない |
この記事の監修者
大手企業では「導入部門の利用率」が全社展開を決める
大手との取引は、どれほど大きな会社でも一部門・一部機能から小さく始まります。その部門で使われていれば、担当者は「うちの部署では定着した」と社内で説明でき、隣の部署や全社への展開、契約金額の拡大につながります。逆に使われていなければ、更新の稟議で止まります。
つまり大手開拓では、受注はゴールではなく入口です。導入部門の利用率を上げることが、次の受注をつくる営業活動になります。取引を広げる流れは「大手企業との取引を広げる3ステップ|小さく始めて月額を10倍に育てる」で示しています。
利用率が上がらないのは一律に底上げしようとするから
利用促進がうまくいかない会社は、全利用者を等しく引き上げようとしていることが多くあります。しかし利用者の状態は一様ではありません。トップ層はすでに使えているため追加の働きかけの効果が小さく、下位層はそもそも使う気がないことが多く、手応えが薄いままです。研修の場でも、席にいるだけで参加しない層が一定います。両端を均等に相手にすると、力が分散して中間層に届きません。
利用者は2:6:2の3層に分かれる
利用者は、経験上おおよそ、よく使うトップ層、ときどき使う中間層、まったく使わない下位層の3つに分かれ、分布は2:6:2に近い形になりやすくなります。同じ中間層でも会社や部署によって差があり、この差がそのまま利用率の差になります。まず、導入部門の利用者がどの層にどれだけいるかを把握することから始めます。
中間層の引き上げに集中する
中間層が使いきれない理由は、面倒だから、どう使っていいか分からないから、なぜ使う必要があるのか理解できないから、といったものが多くあります。この理由を1つずつ潰すコンテンツを用意し、何のために使うのか、どう使うと役立つのかを、具体的な業務の場面に沿って示します。
ただし、コンテンツを渡すだけでは行動につながりにくいのが実態です。対面の勉強会や研修で、活用まで伴走します。大手企業では部署ごとに業務の進め方が違うため、勉強会は部署単位で開くと効果が出やすくなります。
社内事例で中間層の背中を押す
中間層を動かす材料として、事例が効きます。大手企業では、他社の事例よりも「同じ社内の別の部署がこう使っている」という社内事例のほうが、相手が自分の使い方を思い描きやすくなります。トップ層の使い方を引き出して、社内向けの事例として共有します。
事例は、同じ部署に時間を置いて複数回取材する、別の部署に取材する、という2つの方法で増やせます。同じサービスでも、部署や目的が違えば使い方は変わります。この違いをユースケースとして切り出すと、全社展開のときの説明材料にもなります。
手厚くする相手を絞る
伴走には工数がかかるため、すべての導入先に等しくは行えません。全社展開の見込みが大きい会社、トップ層になりうる部署に、研修や勉強会の工数を寄せます。手厚い研修を複数回行っても、その結果として利用が全社に広がるなら、工数は十分に見合います。
最初にやること
導入部門の利用者を「よく使う・ときどき・使わない」の3つに仕分けて、中間層が何人いるかを数えてみます。伸びしろの大きさが見えたら、中間層が使わない理由を1つ挙げ、それを潰すところから始めます。
よくある質問
Q. 導入後に使われないサービスの利用率はどうやって上げますか?
全員を一律に底上げしようとせず、中間層に集中します。使わない理由を潰すコンテンツを用意し、対面の勉強会で活用まで伴走し、社内の他部署の使い方を事例として見せます。
Q. 2:6:2の法則とは何ですか?
利用者が、よく使うトップ層、ときどき使う中間層、まったく使わない下位層に、おおよそ2:6:2に近い割合で分かれやすいという経験則です。伸びしろは中間層にあります。
Q. 下位層は引き上げなくてよいのですか?
深追いしません。まったく使わない層は働きかけへの手応えが薄く、費用対効果が合いにくいためです。
Q. 大手企業で全社展開につなげるには?
導入部門で利用が定着したことを、数字と社内事例で示します。担当者が「うちの部署では定着した」と説明できる状態をつくると、隣の部署への展開を社内で提案しやすくなります。
まとめ
大手企業との取引は一部門から始まり、その部門での利用率が全社展開と更新を左右します。利用者は2:6:2に近い3層に分かれ、伸びしろは中間層にあります。使わない理由を潰すコンテンツを用意し、対面の勉強会で伴走し、社内事例で背中を押します。手厚くする相手を絞ることで、工数と成果が見合います。
関連記事
- 大手企業の新規開拓とは|中小企業向けの営業と違う5つの点
- 大手企業との取引を広げる3ステップ|小さく始めて月額を10倍に育てる
- SaaS企業のエンタープライズ開拓|部門導入から全社展開までの進め方
- 大手企業の稟議を通す提案|担当者が社内で説明できる資料の作り方
大手開拓を、有効商談数の保証付きで支援します
株式会社ディーノの「オオテトル」は、大手企業の新規開拓に特化した営業代行です。部署直通架電・手紙(CxOレター)・LinkedInの3チャネルで決裁者に直接接触し、部署・役職・商談内容で定義した有効商談の件数を保証し、件数単位の課金はしません。まずは300件のテストアプローチ(1ヶ月・10万円・税別)で、自社の商材が大手に届くかを実測できます。

