高単価・無形商材の新規開拓|大手に売るときの営業設計

ポイント高単価・無形商材が売りにくいのは、①関係者が多い、②効果をイメージしにくい、③検討期間が長い、の3つが重なるためです。大手に売るときは、①部署・役職・氏名までキーマンを特定する、②「なぜあなたに、なぜ今か」の仮説で入る、③近い事例を具体的に語る、④一部門・一部機能で小さく始める入口を用意する、の4つで設計します。件数を打つ営業ではなく、1社ずつ深く当たる営業です。初回から大きな契約になることはまれで、スモールスタートから段階的に広げるのが現実的な進め方です。
この記事の執筆者の経歴
執筆者は、2018年にフロムスクラッチ(現データエックス)に新卒入社し、営業とカスタマーサクセスに一貫して従事してきました。最初の担当はBDR(自社を知らない潜在顧客に、アウトバウンドのテレアポで案件をつくる仕事)です。営業リーダーとして、月額平均70〜80万円の無形・高単価商材を年間契約で販売していました。2022年からはカスタマーサクセスに移り、導入支援(要件定義・WBS作成)とアップセル提案を担当しています。
高単価・無形商材を大手企業に売ることの難しさと、それを乗り越える設計を、自分の営業経験をもとに書いています。
売りにくい3つの理由と打ち手
売りにくい理由 | 打ち手 |
|---|---|
関係者が多い | 窓口、決裁者、利用部門を分けて特定し、それぞれに合う材料を渡す |
効果をイメージしにくい | 近い業界・課題の事例を、数字で具体的に語る |
検討期間が長い | 小さく始める入口を用意し、最初の稟議を通しやすくする |
ディーノの支援現場での整理。
キーマンを特定して深く当たる
高単価の商材は、担当者だけでは決まりません。窓口、決裁者、実際に使う部門の責任者を分けて特定します。窓口には情報を、決裁者には費用と効果を、利用部門には業務がどう変わるかを渡します。
月額平均70〜80万円の商材を年間契約で提案していた経験から言えるのは、金額が大きいほど決裁者と窓口が別になりやすいということです。窓口の担当者だけを説得しても、社内で話が上がったときに止まります。部署・役職・氏名までキーマンを特定し、それぞれに適した情報を渡す設計が必要です。
仮説で入る
無形商材は、機能の説明から入ると比較の土俵に乗るだけで終わります。相手の会社の公開情報から課題の仮説を立て、「なぜあなたに、なぜ今か」から入ります。外れていたら正しい課題を聞く機会にします。
事例を具体的に語る
効果をイメージしにくい商材ほど、事例が効きます。業界、規模、課題、施策、成果を、数字で具体的に語れるようにします。同じ業界の事例がなくても、近い課題の事例で代えられます。
小さく始めて段階的に広げる
月額数十万円以上の商材を、最初から全体で提案すると、稟議が重くなり止まります。一部門、一部機能、期間を限った試験導入など、入口の範囲を絞ります。単価を下げるより範囲を絞るほうが、取引が広がったときの単価を守れます。
大手開拓では、初回から大きな契約になることはまれで、ほとんどがスモールスタートです。一部門から始めて成果を出し、段階的に取引を広げていきます。取引の広げ方は「大手企業との取引を広げる3ステップ」で詳しく示しています。
一方で、伸びしろのない企業もあります。たとえば従業員数名の会社では、ユーザー単価型のサービスは伸びに限界があります。「伸びうる会社」を見極めることも設計の一部です。
営業代行に任せるときの注意
高単価・無形商材の営業を外部に任せるときは、アポ数を約束する会社より、商材への理解と、決裁者に届く手段を持つ会社を選びます。
ディーノの支援実績には、年商1,000億円以上の企業向けのコンサルティング商材や、年商1,000億円以上規模のSIerのキーマン・決裁者向けアポ獲得が含まれます。高単価・提案型の商材を持ち、大手企業を開拓したい会社(SaaS、SIer、コンサル、新規事業など)が想定顧客です。
ディーノ代表の太田は、SaaS企業で月額平均70〜80万円の無形・高単価商材のアウトバウンド営業とソリューション提案を経験しており、オオテトルでも高単価・無形商材の大手開拓を得意としています。
よくある質問
Q. 高単価・無形商材にテレアポは効く?
代表電話へのテレアポで同じトークを繰り返すやり方では効きにくい商材です。部署直通番号への電話と手紙を組み合わせ、会社ごとの仮説で当たります。
Q. 事例がない場合は?
近い課題を解いた事例を整理します。それもなければ、最初の数社は条件を絞った試験導入で事例を作ることを優先します。
Q. 商談から受注までどのくらいかかる?
大手が相手なら3〜6ヶ月以上を見込みます。最初の数ヶ月は、商談の件数と案件化の状況で評価します。
Q. 最初から大きな契約は取れる?
初回から月300万〜400万円の契約になることはまれです。まずは一部門・一部機能で小さく始め、Step 1がうまくいけばStep 2、Step 3と段階的に広げるのが現実的な進め方です。
Q. フォーム営業やメール営業で大手に当たれる?
大企業にはほぼ効果がなく、評判を落とすリスクもあるため推奨しません。部署直通架電・手紙(CxOレター)・LinkedInで決裁者に直接接触する手段が有効です。
まとめ
高単価・無形商材を大手に売るには、キーマンの特定、仮説、事例、小さく始める入口の4つで営業を設計します。件数を打つ営業ではなく、1社ずつ深く当たる営業に切り替えることが出発点です。初回から大きな契約を取るのではなく、スモールスタートから段階的に広げていくことで、月10万円の取引を100万円、200万円へと育てることができます。
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