大手開拓の入口商品をつくる|フロント・ミドル・バックで最初の稟議を通す
大手企業に本命の商品をそのまま提案すると、金額が大きく、稟議が重くなり、検討が止まります。一方で、無料の提案で入口を作っても、そこから有料の契約に進まないまま終わることもあります。
この記事は、大手開拓の入口になる商品を、フロント・ミドル・バックの3段で設計する方法を示します。
ポイント
大手企業との取引は、いきなり大きな金額では始まりません。最初から1,000万円で契約する大手はほとんどなく、数千円から数十万円の小さな契約で始まり、価値を実感してから広がります。商品は3段で設計します。①フロント:無料診断や試用など、会うきっかけを作る、②ミドル:少額で、価値を確かめられる範囲に絞った有料の提供、③バック:本契約で、継続と単価の高い提供。大切なのは、フロントからミドルへの道筋を最初から決めておくことと、「何でもできます」ではなく得意領域を絞ることです。
3段の設計
段階 | 役割 | 例 |
|---|---|---|
フロント | 会うきっかけを作る | 期間を区切った無料診断、勉強会、相手専用のデモ |
ミドル | 少額で価値を確かめる | 一部門・一部機能での有料試行、短期のプロジェクト |
バック | 継続と高単価化 | 全社展開、年間契約、上位プラン |
入口の商品を設計するときの型。
この記事の監修者
フロント|無料にするなら出口を決める
無料診断や無料の試用は、アポイントを取りやすくします。ただし、無料のまま終わると、相手の時間と自社の工数だけが消えます。フロントを設計するときは、診断の結果から「次にこの範囲を有料で」と提案する流れまで決めておきます。たとえばコンサルティングなら、課題を短期間で診断し、課題が大きい部分だけを有料の短期プロジェクトとして提案します。
ミドル|稟議の通りやすい金額と範囲にする
ミドルは、大手の担当者が自分の裁量か、軽い稟議で決められる金額と範囲に絞ります。単価を下げるより、範囲を絞るほうが、本契約に進んだときの単価を守れます。一部門、一部機能、期間限定といった絞り方です。ミドルでは、何がどうなれば本契約に進むかの判断条件を相手と合意しておきます。稟議の資料の作り方は「大手企業の稟議を通す提案」で示しています。
バック|成果を出してから広げる
本契約への移行は、ミドルで約束した成果が出て、担当者が社内でそれを説明できる状態になってからです。成果を出した担当者の社内評価が上がる形で、他部門への展開を提案します。広げ方は「大手企業との取引を広げる3ステップ」で示しています。
得意領域を絞る
「何でもできます」という訴求は、大手の担当者には響きません。何を頼めばいいのかが分からないからです。フロントの商品は、最も成果を出せる領域に絞って作ります。研修なら「新任管理職の部下育成」のように、解く課題を一つに決めます。
絞った領域で大手の事例を一つ作れば、同じ業界や同じ課題の会社に横展開できます。
よくある質問
Q. 無料の入口は安売りにならない?
無料にする範囲を、診断や試用など「価値を体験してもらう部分」に限れば、安売りにはなりません。本契約の中身を無料で提供するのは避けます。
Q. ミドルの金額はいくらが目安?
相手の会社の決裁の仕組みによります。担当者の裁量で決められる金額を事前に聞き、その範囲に収まるように範囲を絞ります。
Q. 入口の商品ができたら、大手にはどう当たる?
入口の商品があると、電話や手紙で「まずはこの範囲から」と提案でき、アポイントが取りやすくなります。ディーノの「オオテトル」でも、テストアプローチの段階で、どの入口の提案が大手に反応するかを実測できます。
まとめ
大手開拓の入口は、フロント・ミドル・バックの3段で設計します。フロントで会うきっかけを作り、ミドルで少額の価値を確かめ、成果を出してからバックの本契約に広げる。フロントの出口を最初から決め、得意領域を絞ることで、最初の稟議が通り、取引が育つ道筋ができます。
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