「良さそうですね」で止まる商談の追客|持ち帰り後に検討を進める5つの型
大手企業との初回商談は、思ったより和やかに進むことが少なくありません。門前払いされることもなく、話も聞いてもらえて、最後に「良さそうですね」「社内で検討します」と言われる。ところが、その後いつまでたっても返事が来ない。大手開拓の支援先から、よく受ける相談です。
この記事は、持ち帰られた商談が止まる理由と、検討を前に進めるための追客の型を示します。
ポイント
商談で相手の温度感が最も高いのは、商談の場そのものです。「検討します」と持ち帰られた時点でボールは相手に移り、日がたつほど優先度は下がります。追客の型は5つです。①次回の打ち合わせを、その場で日時まで決める、②「良さそう」が本心かを具体的な質問で見極める、③止まる理由を予算・時期・社内説明・社内決裁・他社比較に分けて先回りする、④社内調整など相手の面倒をこちらで巻き取る、⑤「状況いかがですか」ではなく、用件のある連絡で追う。いい商品なら、いつか相手から連絡が来るということは、ほとんどありません。
持ち帰られた商談が止まる理由
本当に今すぐ必要なら、極端に言えばその場で申し込みが決まり、翌日から使い始めるはずです。そうならないのは、相手の社内のどこかにボトルネックがあるからです。
もう一つの理由は、多くの商材が「なくても相手の事業は回る」ことです。担当者は合理的に動くので、自分の成果に直結しないことの優先度は上がりません。社内で関係者を集めて相談する手間がかかるなら、なおさらです。1ヶ月後に「その後いかがですか」と連絡しても、相手は忘れているか、面倒に感じています。
この記事の監修者
型1|次回の打ち合わせをその場で決める
商談の最後には、必ず次回のアクションを決めます。「来週お電話します」では、電話に出てもらえなければそこで終わります。次回は電話ではなく打ち合わせとして、その場で日時まで決めます。
相手が「社内で相談します」と言ったら、誰と何を相談するのかを聞きます。「関係する部署の方々と、進め方を決める必要がある、ということですか」と確認し、「お忙しい方を集めていただくのは大変だと思うので、こちらで説明の場を1時間いただけませんか。その場で決められるよう、材料を用意します」と提案します。
型2|「良さそう」が本心かを見極める
相手に気を遣って、刺さっていなくても「いいですね」と言ってくれる人もいます。本心かどうかは、具体的に聞くと分かります。
「どういう場面で使えそうか、イメージは持てましたか」と聞いて、具体的な場面が返ってくれば本心です。「これから考えないと」という答えなら、まだ刺さっていません。その場合は追いかけるより、近い事例を持って提案し直す機会をもらいます。
型3|止まる理由を分類して先回りする
本心で良いと思っていても止まるときは、理由はおおむね5つに分かれます。
止まる理由 | 見極める問い | 打ち手 |
|---|---|---|
予算 | 今の予算で収まりそうか | 範囲を絞って金額を調整する、次の予算組みの時期に合わせる |
時期 | なぜ今ではないのか | 再検討の時期を合意し、その時期に連絡する |
社内説明 | 誰に、何を説明する必要があるか | 上長向けの説明資料をこちらで作る |
社内決裁 | どういう流れと力関係で決まるか | 上席の方との打ち合わせを設定してもらう |
他社比較 | 今使っているサービスに満足しているか | 費用と満足度を聞き、不満の点を中心に比較表を作る |
追客の型を作るときの分類。どれにも当てはまらない場合は、そもそも刺さっていない(型2)ことが多い。
止まる理由は、推測ではなく相手の答えで判断します。こちらの思い込みで「予算がないのだろう」と決めつけると、打ち手を誤ります。
型4|相手の面倒を巻き取る
止まる理由の多くは、相手の社内での手間です。たとえば、導入後にどの部署がどう使うかを社内で決める必要がある商材では、まだ実物を見ていない人たちが机上で使い方を考えることになり、話が進みません。
この場合は、関係者に実物を見てもらいながら使い方を決める説明会を、こちらから設定します。「やりたいけれど、面倒なことがあって進まない。その面倒なことは私たちが一緒にやります」という立て付けです。上長への説明が壁なら説明資料を作り、それでも難しければ、上席の方と話す場をもらいます。上長向けの資料の作り方は「大手企業の稟議を通す提案」で示しています。
型5|用件のある連絡で追う
商談の後は、その日のうちにお礼のメールを送ります。資料を見返してもらえるだけでなく、関係者に転送してもらえることもあります。相手がスマートフォンから急いで連絡したいとき、メールが届いていれば検索してすぐ返信できますが、なければ名刺を探してアドレスを打ち込むことになります。お礼のメールは、連絡のハードルを下げる仕組みでもあります。すべての相手に個別の文面を書くのが難しければ、近いうちに見込みのある相手には個別に、それ以外は定型の文面で、と分けます。
その後の連絡で避けたいのは「その後の状況はいかがですか」です。用件のない確認は、相手にとって最も鬱陶しい連絡です。代わりに「前回の打ち合わせで〇〇という話が出ていたので、△△でお困りではないかと思いました。こういう形でお手伝いできそうですが、率直にいかがですか」と、こちらが動く用件を持って連絡します。連絡する理由がなければ、新しい事例や企画を用意して、理由を作ります。
電話がつながらない相手に、1日に何度もかけ直すのも避けます。着信は相手に見えています。出ないのには理由があるので、時期を空けてからかけ直すほうがつながります。
信頼は小さな行動で決まる
追客で差がつくのは、特別なテクニックより、当たり前の行動です。返信が早い。前回の会話を覚えたうえで話す。約束したことを必ずやる。この3つができていない営業は意外と多く、これだけで相手の記憶に残ります。
よくある質問
Q. 追客の連絡は何回までしていい?
回数より、忘れられず、迷惑にもならない間隔で連絡することが大切です。毎回用件を持って連絡していれば、回数が多くても嫌がられにくくなります。用件がないまま回数を重ねると、連絡そのものを避けられるようになります。
Q. 「検討します」と言われたら、その場でどう返せばいい?
まず関心を持ってもらえたことにお礼を伝え、「状況を整理させていただきたいのですが」と前置きします。そのうえで「〇〇さんとしては良いと感じていただけていますか」「すぐに始められそうですか、それとも何かハードルがありそうですか」と、答えやすい質問で分岐させます。いきなり予算や決裁者を聞くと、尋問のように受け取られます。「〇〇さんが決裁者ですか」と本人に聞くのは、相手に失礼になるので避けます。
Q. 見込みの薄い商談も追い続けるべき?
目標の達成に必要な数を見て決めます。達成の見込みが立っているなら、今ではないと言われた相手に無理に追客する必要はありません。時期と理由を記録し、その時期に改めて連絡します。
Q. 大手開拓を営業代行に任せた場合、追客は誰がやる?
多くの場合、商談に出た依頼側が担います。そのため営業代行を選ぶときは、商談に至るまでの経緯(誰に、どの手段で当たり、何に関心を示したか)が引き継がれるかを確認します。ディーノの「オオテトル」は、いつ、誰に、どう当たり、どんな反応だったかを全件開示するため、商談後の追客の材料として使えます。
まとめ
「良さそうですね」で止まる商談は、ボールが相手に移ったまま優先度が下がった商談です。次回の場をその場で決め、本気度を見極め、止まる理由に先回りし、相手の面倒を巻き取り、用件のある連絡で追う。この5つの型で、持ち帰られた商談を前に進めます。
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