インバウンド架電とは|問い合わせへの初動と架電回数のルール

ホームページの問い合わせや資料請求が入ったのに、担当者が気づいたのは数日後。電話をかけたら「もう他社で進めています」と言われた。インバウンドのリードを扱う会社では、こうした失注がよく起きています。
インバウンド架電とは、問い合わせ・資料請求・ウェビナー参加など、相手から接点を持ってくれたリードに対して、こちらから電話をかけることです。相手はすでに関心を持っているので、テレアポ(アウトバウンド)よりつながりやすく、商談にもなりやすい一方、対応が遅れるとその関心はすぐに冷めます。
この記事では、ディーノが支援現場で使っている初動のルール、架電回数の決め方、つながらない相手の扱い、失注理由の記録方法を紹介します。インサイドセールスの担当者や、問い合わせ対応のルールを作りたい営業責任者に向けた内容です。
ポイント
インバウンド架電で一番大事なのは、通知を受けたらすぐ電話することです。ディーノが支援したある案件では、通知が届かず1週間後に連絡した大手企業から「他社で進める」と断られました。不在なら時間帯を変えて最大5回・約2営業日を目安にかけ、つながらなければナーチャリング(メールでの関係づくり)に移します。架電回数は2〜3回以上で効果が変わらない傾向もあるため、自社のデータで調整します。あわせて、温度感の分類と失注理由のコード化をしておくと、追客と改善が回り始めます。
インバウンド架電とは何か
インバウンド架電は、相手から来た接点に対して電話でフォローする活動です。主な入口は次のとおりです。
入口 | 相手の状態 | 架電の目的 |
|---|---|---|
問い合わせフォーム | 具体的な相談がある | 内容を確認し、商談日時を決める |
資料請求・ホワイトペーパー | 情報収集の段階が多い | 関心の度合いと検討時期を確かめる |
ウェビナー参加 | 関心はあるが温度差が大きい | 感想を聞き、次の接点につなげる |
同じ「インバウンド」でも、入口によって相手の温度感は違います。ディーノの支援現場でも、ホワイトペーパー経由のリードは情報収集層が多い傾向がありました。そのため、すべてのリードに同じ温度で商談を打診するのではなく、年商と役職でアポを打診する条件を決めておくと、営業の工数が無駄になりにくくなります。条件の決め方はリードの選別基準で詳しく説明しています。
この記事の監修者
問い合わせへの初動が遅れると何が起きるか
ディーノが支援した研究会事業のある案件では、問い合わせの通知が担当者に届いていませんでした。大手のBtoC企業から来た問い合わせに1週間後に連絡したところ、「他社で進めることにしました」と断られています。その月、担当者は約100件の商談を抱えており、通知の確認まで手が回らない状態でした。
この例から分かるのは、初動の遅れは担当者のやる気の問題ではなく、仕組みの問題だということです。
- 通知が確実に届く経路になっているか
- 誰が最初に電話するかが決まっているか
- 担当者の商談数が多すぎて、架電の時間が取れなくなっていないか
この3つを先に確認します。問い合わせをした相手は、同時に複数社へ連絡していることが多いため、最初に話せた会社が有利になります。
インバウンド架電の初動ルール
ディーノの支援現場で使っている初動ルールは次のとおりです。
1. 通知を受けたら即架電する
問い合わせが入るとチャットツールに通知が届くようにし、通知を見た担当者がすぐに電話します。「後でまとめてかける」はしません。
2. 不在なら時間帯を変えて最大5回・約2営業日
1回目でつながらなかった場合は、午前・午後など時間帯を変えてかけ直します。上限は最大5回、期間は約2営業日を目安にしています。時間帯の考え方は法人テレアポがつながる時間帯も参考にしてください。
3. 回数は自社のデータで調整する
過去の架電データでは、2〜3回以上かけても効果があまり変わらない傾向がありました。5回は上限であって、必ずかける回数ではありません。自社のログを見て、何回目まででアポが取れているかを確認し、回数を見直します。
4. つながらなければナーチャリングへ移す
上限までかけてもつながらないリードは、無理に追わずメールなどのナーチャリングに移します。
5. 重複架電を避ける
フォームから商談日時がすでに入っている案件は、架電対象から外します。予約済みの相手に「日程はいつがよいですか」と電話すると、かえって印象を下げます。
6. 重い相談は持ち帰る
コンサルティングの希望など、その場で答えるのが難しい相談は無理に進めず持ち帰ります。そのうえで、マネージャーが同席する60分の枠を組みます。
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初動ルールのチェックリスト
- 問い合わせ通知がチャットツールに自動で届く
- 一次対応の担当者と代わりの担当者が決まっている
- 架電回数の上限と期間(例:最大5回・約2営業日)が決まっている
- 商談日時が入っているリードは架電対象から外している
- つながらないリードの移し先(ナーチャリング)がある
- 重い相談を持ち帰る場合の同席ルールがある
追客と失注理由の記録をそろえる
初動を速くしても、その後の追客がバラバラだと商談は増えません。ディーノが支援したある商社の案件では、問い合わせは継続的に入っていたものの、「初動が遅い」「追客の仕方が担当者ごとに違う」「失注理由が整理されていない」という3つの課題がありました。
そこで次のように整えました。
課題 | 打ち手 |
|---|---|
追客がバラバラ | リードを温度感で3つに分け、分類ごとに追客の方法を決める |
失注理由が未整理 | 失注理由をコード化する(10〜20パターンに収まる見込み) |
つながらない層の放置 | メルマガで接点を保つ(情報提供7割・提案3割) |
メルマガは、情報提供を中心にしたほうが反応がよいと考えています。ある例では開封率20%でした。社内の事例でも、いきなり行動を促すメールより、情報提供型のメールのほうが反応は高くなりました。
大手企業からの資料請求の追客は、大手企業からの資料請求を商談につなげる追客で詳しく紹介しています。
ウェビナー参加者フォローの現実
ウェビナー参加者は「関心がある」と思われがちですが、実際には温度差が大きい層です。ある案件では、参加者の7割以上が2日間つながらず、折り返しはごくわずかでした。
つながった相手の断り理由は、主に次の3つでした。
- 個人的な興味で参加しており、予算がない
- すでに他社と商談を進めている
- 資料は見るが、継続的な参加は難しい
この結果から、ウェビナー参加者には全件同じ熱量で架電するより、役職や企業規模で優先順位をつけ、残りはメールで接点を保つほうが現実的だと分かります。
よくある質問
Q. インバウンド架電は何回までかけるべきですか?
ディーノでは時間帯を変えて最大5回・約2営業日を目安にしています。ただし、過去データでは2〜3回以上で効果が変わらない傾向もあったため、自社のログを見て回数を調整してください。かけ直しの考え方はテレアポの再架電でも説明しています。
Q. 問い合わせにはどのくらいの速さで対応すべきですか?
通知を受けたらすぐ電話するのが基本です。1週間後の連絡で「他社で進める」と断られた例もあります。速く対応するには、通知の経路と担当者を先に決めておくことが必要です。
Q. ホワイトペーパーをダウンロードした人にも電話すべきですか?
情報収集層が多いため、全件に商談を打診する必要はありません。年商と役職で条件を決め、条件に合う相手から優先して電話し、それ以外はナーチャリングに回します。
Q. つながらなかったリードはどうすればよいですか?
上限までかけてもつながらない場合はナーチャリングに移します。メールは情報提供を中心にし、提案は一部にとどめると反応を得やすくなります。
まとめ
インバウンド架電は、相手の関心が高いうちに話せるかどうかで成果が変わります。通知が確実に届く仕組みを作り、通知を受けたらすぐ電話する、不在なら時間帯を変えて上限までかける、つながらなければナーチャリングに移す、というルールを決めておきましょう。そのうえで、温度感の分類と失注理由のコード化をしておくと、追客の質がそろい、改善のためのデータも残ります。
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