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営業部長の役割とは|企画・設計・推進・管理の4つの仕事と落とし穴

営業部長の役割とは|企画・設計・推進・管理の4つの仕事と落とし穴

営業部長になったものの、毎日の商談や部下のフォローで手一杯で、戦略を考える時間がない。社長からは「営業の仕組みを作ってほしい」と言われているが、何から手をつければよいか分からない。こうした悩みを持つ営業部長や営業責任者は少なくありません。

営業部長の役割は幅が広く、会社によって中身も違います。そのため、「全部やろうとして、どれも中途半端になる」ことが起きがちです。役割を分けて考えると、自分がどこに時間を使えていて、どこが抜けているのかが見えてきます。

この記事では、ディーノが営業組織の支援で使っている「企画・設計・推進・管理」の4つの区分で営業部長の役割を整理し、よくある落とし穴と、組織に残すべき営業の資産を紹介します。

ポイント
営業部長の役割は、企画(何を誰に売るか)・設計(どう売るかの型)・推進(実行と現場の指揮)・管理(数字と改善)の4つに分けると整理できます。よくあるのは、営業部長が推進に張り付き、企画・設計・管理に手が回らない状態です。設計がないままSFAを入れると使われず、企画がないまま営業代行を使うと自社に合わないアポが増えます。スクリプトやマニュアル、架電ログなどを「営業の資産」として組織に残すことが、営業部長の大事な仕事です。

営業部長の役割は4つの仕事に分けられる

ディーノでは、営業責任者の仕事を次の4つに分けて考えています。

仕事

中身の例

抜けたときに起きること

❶企画

誰に何を売るか、売上をどの顧客層でつくるか、やらないことを決める

手当たり次第に営業して、合わない商談が増える

❷設計

トークスクリプト、追客フロー、商談プロセス、管理表の項目を決める

人によってやり方がばらばらになり、属人化する

❸推進

架電・商談の実行、メンバーの指揮、現場の判断

行動量が落ちる

❹管理

数字の確認、失注分析、改善の打ち手

同じ失敗を繰り返す

4つとも必要ですが、時間の使い方は偏りがちです。

推進に張り付くと、残りの3つが止まる

ディーノが支援する会社でよく見るのは、営業責任者が推進(実務)に張り付き、企画・設計・管理に手が回らない状態です。自分で商談に出て、部下の商談に同席し、トラブルに対応していると、1日が終わります。

推進は成果が目に見えやすく、やっている実感もあります。しかし、企画と設計がないまま推進だけを続けると、営業部長がいないと回らない組織になります。社長が営業から抜けられない問題と同じ構造です。詳しくは営業の属人化とはをご覧ください。

この記事の監修者

代表取締役

太田 大貴
株式会社ディーノ 代表取締役


新卒でSaaS企業に入社し、インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスのManagerを経験。AIスタートアップの営業組織立ち上げではARRを1.8倍に、人材系スタートアップではIS組織の生産性改善により成約金額を140%に向上させた実績を持つ。株式会社ディーノ設立後は、営業組織の立ち上げ・型化から新規開拓の実行支援までを一気通貫で担当している。

関連リンク:note / X / YouTube

営業部長と営業マネージャーの役割の違い

会社によって呼び方は違いますが、一般的には次のように分けると整理しやすくなります。


営業部長

営業マネージャー

主な仕事

企画・設計(何を誰に、どう売るか)

推進・管理(決めた型で実行し、数字を追う)

見る期間

半期〜年単位

週〜月単位

主な成果物

ターゲット定義、売上の構成、営業プロセス

行動量、ヨミ、メンバーの育成

小さな組織では1人が両方を兼ねることも多いでしょう。その場合こそ、4つの仕事を意識して、企画と設計の時間を先に確保することが大切です。

企画と設計を抜いたときの2つの落とし穴

落とし穴1:設計がないままSFAを入れる

どんな項目を、誰が、いつ入れるかを決めないままSFAを導入すると、現場に使われません。使われないので改修を重ね、改修費だけが膨らみます。ツールを入れる前に、営業のプロセスと管理表の項目を設計しておく必要があります。架電の記録をどう始めるかはテレアポ管理表(架電ログ)の作り方で紹介しています。

落とし穴2:企画がないまま営業代行を使う

誰に何を売るかが決まっていないまま営業代行を使うと、自社に合わないアポが増えます。しかも、架電のデータが自社に残らないと、何がうまくいかなかったのかも分かりません。依頼前の準備は営業代行に大手開拓を依頼する前に準備する5つのもので説明しています。

企画:売上を顧客の層で設計する

企画の仕事の1つが、売上をどの顧客層でつくるかを決めることです。

ディーノが関わった例では、上位の顧客への依存度が高く、新規の開拓が止まっている組織がありました。そこで、受注の規模別に大口・中口・小口の3層に分け、層ごとに件数の目標を置きました。あわせて、工数の8割を新規アプローチに割り当てる方針にしました。

大口に頼り続けると、その顧客を失ったときに売上が大きく落ちます。層ごとに目標を置くと、新規開拓に使う時間を守りやすくなります。

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設計:型をつくり、次に精度を上げる

設計の仕事は、誰がやっても一定の成果が出る型をつくることです。

代表が元々SaaS企業で営業を担当していたころ、業界×課題の組み合わせで提案テンプレートを作ったところ、案件化率が大きく上がりました。ただし、今度は成果が担当者の説明力に左右される、つまり属人化という次の課題が出てきました。

そこで、次は「誰に→どう当てるか→何を当てるか」の順で精度を上げていく考え方をとっています。提案の中身より先に、当てる相手と当て方を決めるという順番です。

管理:ナレッジを案件単位で集める

管理の仕事には、数字の確認だけでなく、営業のナレッジを組織に残すことも含まれます。営業のノウハウが会話や紙、通話録音にばらばらに散らばっていると、エースが辞めたときに売上が落ちます。

ナレッジは案件単位で集めるのがおすすめです。また、ナレッジの整備を「業務効率化」の話にせず、受注率・リードタイム・クロスセル率といったKPIに結びつけると、取り組む意味が社内で共有しやすくなります。KPIの置き方は大手開拓のKPIと数値目安、録音の活かし方は通話録音を営業改善に使う方法で紹介しています。

営業部長が組織に残すべき営業の資産

営業部長の仕事の成果は、売上の数字だけではありません。人が入れ替わっても使える資産が残っているかどうかも大切です。ディーノの支援で、支援が終わっても会社に残すものとして挙げているのは次のとおりです。

  • ターゲット定義書
  • 競合比較表
  • トークスクリプト
  • メールテンプレート
  • 追客フロー手順書
  • スプレッドシートの営業ダッシュボード
  • 全架電ログ
  • 営業マニュアル
  • 商談プロセス定義書
  • ヨミ管理シート
  • 失注分析
  • AI活用ワークフロー

すべてを一度にそろえる必要はありません。自社にないものから優先順位をつけて整えていきましょう。マニュアルの作り方はインサイドセールスのマニュアルの作り方で紹介しています。

「やらないこと」を決める

4つの仕事をすべて1人で完璧にこなすのは難しいものです。だからこそ、営業部長は「やらないこと」を決める必要があります。追わない顧客層、使わない施策、自分が手放す業務を決めると、企画と設計に使う時間が生まれます。

よくある質問

Q. 営業部長の一番大事な役割は何ですか?

会社の状況によりますが、推進に時間を取られている場合は、企画(誰に何を売るか)と設計(どう売るかの型)の時間を確保することが最優先です。この2つは営業部長にしかできないことが多いためです。

Q. 営業部長がプレイングマネージャーになってしまいます。

推進に張り付いている状態です。自分がやっている業務を4つの仕事に分けて書き出し、推進のうち手放せるものから、メンバーや外部に任せていきましょう。

Q. SFAを入れたのに使われません。

設計がないまま導入している可能性があります。どの項目を誰がいつ入れ、何の判断に使うのかを決め直すところから始めてください。

Q. 営業代行を使うときに営業部長がやるべきことは何ですか?

誰に何を売るか(企画)を決めて伝えることと、架電ログなどのデータを自社に残す取り決めをすることです。営業代行の選び方は営業代行の選び方をご覧ください。

まとめ

営業部長の役割は、企画・設計・推進・管理の4つに分けると整理できます。推進に張り付くと企画と設計が止まり、SFAが使われない、合わないアポが増えるといった落とし穴にはまります。売上を顧客の層で設計し、型をつくってから精度を上げ、ナレッジとデータを営業の資産として組織に残す。そのために「やらないこと」を決めることが、営業部長の仕事の土台になります。

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