トークスクリプトの作り方|分岐を絞った「一本道」で誰でも件数を重ねられる型

テレアポのトークスクリプトを作ったのに、現場で使われない。新しく入ったアポインターに渡したら「長すぎて読めない」と言われた。こうした悩みは、スクリプトを丁寧に作り込んだ会社ほど起きやすいものです。
ディーノでも、ある時期のスクリプトは分岐が多く、最後まで読まないと基本のトークにたどり着かない作りになっていました。社内で何度か会議を重ね、構造ごと作り直しています。
この記事では、そのときの考え方をもとに、誰が読んでもすぐ架電できるトークスクリプトの作り方を、骨格のテンプレート付きで説明します。
ポイント
トークスクリプトは、基本フローを一番上に置いた「一本道」で作ります。分岐は「冒頭の共通トーク」「不在時」「断られたときの切り返し2〜3個」程度に絞り、細かい質問への答えはFAQに逃がします。
複雑な条件を読み込める人を前提にせず、誰でも同じフォーマットで件数を重ねられる構造にすることが目的です。
「以前お電話したと思うんですけど」のような事実と異なる接点の表現は、スクリプトから消しておきます。
作った後は、練習とロープレで「自分ごと化」させないと機能しません。
トークスクリプトが使われなくなる原因
使われないスクリプトには、共通する特徴があります。
症状 | 原因 | 直し方 |
|---|---|---|
基本トークにたどり着かない | 分岐が多く、冒頭から条件分けが始まる | 基本フローを最上部に置き、例外は下にまとめる |
新任が「長すぎて読めない」 | 想定問答をすべて本文に書いている | 細部はFAQに分け、本文はペライチに収める |
案件ごとに形がバラバラ | 毎回ゼロから作っている | 統合フォーマットをコピーし、案件固有の部分だけ差し替える |
書いてあるのに話せない | 練習不足で自分ごと化できていない | ロープレとモニタリングで定着させる |
ディーノの社内でも、スクリプトが機能しない一番の原因は、スクリプトの中身より「自分ごと化の不足(練習不足)」だったと振り返っています。作り方と定着のさせ方は、セットで考える必要があります。
この記事の監修者
一本道スクリプトの考え方
一本道とは、上から順に読めば架電が完結する構造のことです。
- 基本フロー(受付→本人→用件→日程打診)を一番上に置く
- 分岐は「冒頭の共通トーク」「不在時」「断られたときの切り返し2〜3個」程度に絞る
- 細かい質問への答えは、本文ではなくFAQにまとめる
- ペライチで8割の場面をカバーできることを目指す
差別化が難しい商材ほど、スクリプトは短くして数を打つ方が向いています。複雑な条件を読み込む前提の人ではなく、誰でも同じフォーマットで件数を重ねられることを優先します。
ただし、受付で担当者の戻り時間を確認するといった、つながる確率を上げるコツは、整形しても削らずに残します。
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トークスクリプトの骨格テンプレート
ディーノの統合フォーマットの考え方をもとにした、骨格の例です。案件ごとにコピーし、【 】の部分だけ差し替えて使います。
■ 基本フロー(ここだけ読めば架電できる)
1. 受付
「あっ、【会社名】の【名前】です。【部署名】の【担当者名】さんはいらっしゃいますか?」
→ 不在なら「2. 不在時」へ
2. 不在時
「承知しました。何時ごろお戻りになりますか?」
→ 戻り時間を管理表に記録し、その時間にかけ直す
3. 本人:名乗りと用件(30秒以内)
「【会社名】の【名前】です。【用件を1文で】の件でお電話しました。
【相手の部署で起きやすい課題を1文で】、といったお話を
【対象部署】の皆さまに伺っているところです。」
4. 日程打診(2択)
「一度30分ほど、オンラインでお話しできればと思っていて。
明日【日付】の【時刻】か、明後日【日付】の【時刻】でしたら、どちらがご都合よろしいですか?」
5. アポ確定後のヒアリング(3〜5項目)
【担当範囲/今の進め方/時期 など、案件ごとに決めた項目】
■ 断られたときの切り返し(2〜3個まで)
A. 「今は必要ない」
B. 「資料を送って」
C. 「他社を使っている」
■ FAQ(本文に書かない細かい質問)
・費用は? → 電話では金額を伝えず、商談でご説明する旨を伝える
・どこで名前を知った? → 「公開情報で拝見しました」
骨格の各パートで押さえる点を整理します。
パート | 押さえる点 |
|---|---|
名乗り | 「申します」より「です」で短く。へりくだりすぎない |
用件 | 1文で言い切る。数字は出すなら1つだけ |
日程打診 | 「いつがよろしいですか」ではなく2択で聞く |
資料送付の依頼 | 快く受けて「明後日ご感想を伺いますね」と次回を握る |
切り返し | 受け止める→理由を1つだけ聞く→条件を変えてもう一度。粘るのは2〜3回まで |
費用の質問 | 電話では金額を言わない |
切り返しの具体的な言い回しは営業電話で断られたときの切り返し、名乗り方はテレアポの名乗り方、日程の聞き方はアポの日程打診の仕方で詳しく説明しています。
作り直すときの手順
既存のスクリプトを一本道に作り直す手順です。
- 今のスクリプトから、基本フロー(受付→本人→用件→日程)だけを抜き出して最上部に置く
- 分岐を洗い出し、「不在時」と「よく出る断り2〜3個」以外はFAQに移す
- 戻り時間の確認など、つながる確率を上げるコツが消えていないか確認する
- 「事実と異なる接点」の表現を削除する
- 統合フォーマットとして保存し、各案件にコピーして固有部分だけ差し替える
「事実と異なる接点」の表現を消す
スクリプトには、つい次のような表現が入り込みます。
- 「以前お電話したと思うんですけど」
- 「〇〇って聞いたことありますか?」(相手が知らない前提の言葉)
実際にない接点をつくる言い方は、相手に気づかれたときに信用を失います。ディーノでは、AIを使ってスクリプト全体から該当しそうな箇所を洗い出し、判断が難しい箇所は責任者が確認して直しました。NGな言い回しの全体像はテレアポのNGワード・やってはいけないことにまとめています。
スクリプトを定着させる運用
作ったスクリプトを機能させるには、次の運用を組み合わせます。
- 稼働前にロープレを行い、スクリプトを声に出して自分の言葉にする
- 「オト(声の明るさ・テンポ・間・語尾)」と「コト(話す内容)」を分けて振り返る
- 案件ごとに断り文句データベース(言われたこと・返し方・補足・よく出るかどうか)を育てる
- 業界別の架電前インプット資料を「5分で理解できる」「覚える数字は5つだけ」の分量で用意する
- 初期の架電を録音でモニタリングし、スクリプトとのずれを確認する
スクリプトは一度作って終わりではなく、断り文句データベースや録音から得た学びを、FAQや切り返しに反映し続けます。録音の活用法は通話録音を営業改善に使う方法も参考にしてください。
よくある質問
Q. 分岐はどこまで書けばよいですか?
冒頭の共通トーク、不在時、断られたときの切り返し2〜3個程度に絞ります。それ以外の細かい質問はFAQにまとめ、本文には書きません。
Q. 商材の説明はどのくらい入れるべきですか?
電話では用件を1文で言い切る程度で十分です。差別化が難しい商材ほど短くして数を打つ方が向いています。詳しい説明は商談の場に回します。
Q. スクリプトを作ったのに成果が出ません。
スクリプトの中身より、練習不足で自分ごと化できていないことが原因の場合があります。ロープレと初期架電のモニタリングで、話せる状態にしてから評価します。
Q. 案件が複数ある場合はどうしますか?
統合フォーマットを1つ作り、各案件にコピーして固有の部分だけ差し替えます。形がそろうと、アポインターが案件をまたいでも迷いません。
まとめ
トークスクリプトは、基本フローを一番上に置いた一本道で作り、分岐は不在時と切り返し2〜3個に絞ります。細かい質問はFAQに逃がし、ペライチで大半の場面をカバーできる形を目指します。事実と異なる接点の表現は消しておきます。
そして、スクリプトは練習とモニタリングで自分ごと化して初めて機能します。作る工程と定着させる工程を、セットで設計してください。
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