テレアポの分析方法|架電データをファネルに分解してボトルネックを探す

テレアポを続けているのにアポが増えない。架電数は足りているはずなのに、何が悪いのか分からない。こうしたとき、多くの会社は「もっとかける」か「トークを変える」のどちらかを選びます。しかし、どちらも原因が分からないまま手を打つことになります。
テレアポの改善で先にやるべきは、架電データを分析して、どの段階で落ちているかを特定することです。アポ率という1つの数字だけを見ても、受付で止まっているのか、担当者に断られているのか、そもそも当てる相手が違うのかは分かりません。
この記事では、ディーノが支援現場で使っている架電データの分析方法を、分解の型、分析の切り口、実際の分析例と打ち手に分けて紹介します。
ポイント
テレアポの分析方法の基本は、架電数→会話→担当者到達→前向き反応→アポ→有効商談のファネルに分解し、一番大きく落ちている段を探すことです。ある支援案件では、約400社のうち約7割と会話できたものの、担当者に届いたのは約14%で、ボトルネックは担当者到達でした。切り口は架電回数、時間帯、企業規模、断り理由です。分析するには断り理由の記録が欠かせません。多くの場合、課題は架電の量ではなく「誰に当てるか・何を入口にするか・何を1件と数えるか」の設計にあります。
テレアポの分析方法:まずファネルに分解する
架電の結果を、次の6段階に分けて数えます。
段階 | 数えるもの | 落ちたときに疑うこと |
|---|---|---|
架電数 | かけた件数 | 行動量、リストの量 |
会話(接続) | 誰かと話せた件数 | 時間帯、番号の質 |
担当者到達 | 狙った部署・役職の人と話せた件数 | 受付突破、番号(代表か直通か) |
前向き反応 | 話を聞く姿勢が見えた件数 | 名乗り、入口のオファー |
アポ | 日程が決まった件数 | 日程打診の仕方 |
有効商談 | 条件を満たした商談 | ターゲットとアポ条件の設計 |
段階ごとの移行率を出すと、どこで一番落ちているかが分かります。
分析例:IT系の商材の案件
ディーノが支援したIT系の商材のある案件では、次のような結果でした。
段階 | 件数 | 移行率 |
|---|---|---|
架電(社数) | 約400社 | ― |
会話 | 約280社 | 約7割 |
担当者到達 | 40社 | 約14% |
前向き反応 | 7社 | ― |
商談 | 1社 | ― |
会話までは7割できているのに、担当者に届いたのは約14%です。この案件の最大のボトルネックは担当者到達でした。トークを磨くより先に、担当部署へどうたどり着くかを考える必要があります。代表電話で止まる理由は大手企業の代表電話はつながらないのか、部署に直接つなぐ方法は部署直通番号とはで説明しています。
この記事の監修者
架電データを分析する4つの切り口
ファネルで落ちている段が分かったら、次の切り口で原因を絞ります。
1. 架電回数別
同じ相手に何回かけたかで分けます。ある案件では、1回目の率が約10%だったのに対し、3回以上かけた相手では約18%でした。1回でつながらない相手を諦めると、取れるはずのアポを逃します。かけ直しの考え方はテレアポの再架電を参照してください。
2. 時間帯別
時間帯ごとの会話率を見ます。ある案件では、9時台の会話率が約68%だったのに対し、13時台は約52%でした。時間帯の詳しい考え方は法人テレアポがつながる時間帯で紹介しています。
3. 企業規模別
規模ごとに着電率を見ると、どの層に当てると効率がよいかが分かります。業界特化型のSaaSのある案件(約3,100架電、着電率約11%、着電からのアポ率約2%)では、規模別の着電率と失注理由を見てターゲットを絞り、アポ条件に予算要件を加えました。
4. 断り理由別
断り理由の分布を見ると、入口のオファーやターゲットの問題が見えてきます。
断り理由 | 割合(ある案件) | 打ち手 |
|---|---|---|
課題なし | 約16% | 入口のオファーを、ツールの訴求から無料診断に替えた |
グループで一括管理 | 約12% | 決める部署がグループ側にあるため、当てる先を見直す |
「課題なし」が多いのは、相手に課題がないのではなく、入口の言い方で課題に気づいてもらえていない可能性があります。
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分析例:9か月・約6,600架電を見直したら
HR系のサービスのある案件で、9か月分・約6,600架電のデータを再分析したことがあります。
- アポ率は1%強で、極端に悪い数字ではなかった
- 追客の架電ではアポ率2%台後半、初回架電では1%弱だった
- アポの約6割が追客から生まれていた
- 初回架電が約3,800件あり、対象の母集団が一巡している可能性があった
- お断り理由の記録率が1%強しかなく、改善のサイクルが回っていなかった
この分析の結論は「課題は量ではなく設計」でした。架電数を増やしても、母集団が一巡していれば同じ相手にかけ直すだけです。見直すべきは、誰に当てるか、何を入口にするか、何を1件と数えるか、の3つでした。アポの数え方は有効商談とは、アポ率の見方はテレアポのアポ率の平均と分解で詳しく紹介しています。
分析できるデータを残すための準備
分析は、データが記録されていなければできません。次の準備をしておきます。
- 架電ごとに結果(不在・受付断り・担当断り・資料送付・アポなど)を残している
- 断り理由の定義を決め、コードで記録している(「新規NG」「他社利用NG」「課題なしNG」など)
- 受付で落ちたのか、担当者で落ちたのかを分けて記録している
- 架電日時と架電回数が分かる
- 通話録音を残している
受付で落ちているなら、名乗りや番号の問題です。担当者で落ちているなら、入口のオファーや相手選びの問題です。同じ「NG」でも、どこで落ちたかで打ち手が変わります。
記録はまずスプレッドシートで始め、一巡してから傾向を見て、SFAの入力ルールを決めるのがおすすめです。列の作り方はテレアポ管理表(架電ログ)の作り方で紹介しています。また、通話録音の文字起こしから「刺さらなかった理由」を拾うと、商品企画にも返せます。詳しくは通話録音を営業改善に使う方法をご覧ください。
テストで比べてから本番に進む
分析は、終わった架電を見るだけではありません。始める前に、比べられる形でテストを設計しておくと判断が早くなります。
ディーノでは、300社を3つのセル(100社ずつ)に分け、セルごとに業種や部署、入口のオファーを変えて架電します。セル別のアポ率を比べ、一番よいセルを本契約の主軸にします。テストアプローチの考え方は営業代行のテストアプローチとはで紹介しています。
よくある質問
Q. テレアポの分析で最初に見るべき数字は何ですか?
アポ率だけでなく、架電→会話→担当者到達→前向き反応→アポ→有効商談の各段の移行率です。一番大きく落ちている段が、最初に手を打つところです。
Q. 架電のKPIは何を置けばよいですか?
架電数だけでなく、会話数と担当者到達数を置くことをおすすめします。大手開拓全体のKPIは大手開拓のKPIと数値目安で説明しています。
Q. 断り理由はどのくらい細かく分けるべきですか?
まずは「新規NG」「他社利用NG」「課題なしNG」など、打ち手が変わる単位で分けます。細かすぎると記録されなくなるので、選択式にして記録率を上げることを優先します。
Q. アポ率が低いときは架電数を増やすべきですか?
先に分析をしてください。対象の母集団が一巡していたり、入口のオファーが合っていなかったりすると、量を増やしても成果は増えません。
まとめ
テレアポの分析方法は、架電データをファネルに分解し、一番落ちている段を見つけることから始まります。そのうえで、架電回数・時間帯・企業規模・断り理由の切り口で原因を絞ります。分析には断り理由の記録が欠かせません。そして多くの場合、課題は量ではなく、誰に当てるか・何を入口にするか・何を1件と数えるかという設計にあります。
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